当たり前のことなど
当たり前のことなど、何一つない。
朝に目を覚まし、家内が作ってくれた飯を食べ、子供に歯を磨くように言い、今日の天候を気にする。
寝癖を書きながら電車に乗り、職場に着いて同僚と仕事をする。水に交わらない油を注いでかき混ぜる。クタクタになりながら少しでも油の粒が小さくなるように。
太陽が隠れる頃に仕事を終え、また電車に乗り乗客の顔を見ながら家へ帰る。
家ではまた家族と笑い、叱り、話をする。
当たり前のことなど、一つもない。
ブッダ(全12巻セット) /潮出版社/手塚治虫 | ||||
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