peacefuruのブログ

好きな音楽やギターのこと。その他気になることを書き連ねます。

朗読者 〜 Der Vorleser 〜




ふるふるです!

今日はベルンハルト・シュリンク さん、というドイツの作家さんが作った小説、「朗読者」のご紹介したいと思います。

by カエレバ

朗読者

ある日、学校から帰宅する途中に倒れた少年が、そこに居合わせ介抱してくれた「ハンナ」という女性に出会いところから物語は始まります。やがて親密になった二人は頻繁に会うようになり、少年はハンナに小説を朗読するようになります。そして突然、消息を断つハンナ。その後、数年の歳月が流れ大人になった少年はある裁判でハンナと再会する事になります。





読んで思うこと 〜人は何から学べるか〜

著者ベルンハルト・シュリンクが描く、登場人物のひとつひとつの行動が、最大限の意味を持って、読者の心に石を投じます。「あなたと彼らの境界はどこですか?」

第二次世界大戦の勃発、ユダヤ人虐殺、人間の狂気等色んな視点から物語が描かれており、読み終えた後にも静かに考えに老けてしまう、読者に問いかけを残すような作品でした。
どんな人であっても他と変わらない生命である、という最低限の肯定されるべき人権があります。けれども、罪というものが降りかかった途端、自分とは違う異物であるかの様に、僕達は罪人を遠ざけてしまいます。まるで、自分の嫌な部分を見たくないという風に。

私達はその異物と見なしたものをただ排除するのではなく、そうする代わりに、自分自身の問題のように冷静にそれらに対して向かい合わなければいけないのではないかと思います。


2008年に映画化もされました。こちらもオススメです!

白か黒だけではない

人は自分自身である為に譲れないものがあります。その為には人生をも顧みず命を落とす事もある。そして、周囲の人間はそれすらも肯定しなければいけない瞬間が、この「白」か「黒」だけではない世界にはあり得るのだということを感じさせる、そんな作品でした。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます!





by カエレバ